中国茶と春節料理を楽しもう会
北風が通り去った後に、死んだような木々の枝先に吹き出る若葉に、新年の到来を、春を待ちわびる人々の気持ちは万国共通、中国では旧暦にあわせて、春節、新しい年を迎える元旦を祝います。今年は2月11日の春節を前に、1000種を超えるといわれる中国茶の中でも、青茶の銘茶、岩茶のふるさとといわれる武夷岩茶を中国式のお点前で頂き、南方の春節料理、豚足や大餅をいただきながら、よい年をと春を寿ぐ隣国「中国」の人々の食卓を探訪しました。 2月9目、小春目和の午後、神戸フラワーロード沿いの「岩茶荘FANFAN」に、春の足音とともに、参加者が集まってきました。 3〜5名毎にテーブルに別れ、竹製の水きりのついた茶盤の上に置かれた、小ぶりの素焼きの茶壼(急須)や、茶杯や、聞香杯などを前に、神妙な顔つきで、お茶を煎れ、お茶を香り、お茶を頂くひととき。 中国は福建省の山奥、切り立った岩岩の頂で風雪に酎え、豊かな目差しに育まれながら自生する貴重な茶葉が茶湯の温もりに導かれ、小さな茶壼の世界で両手を広げて、それぞれの香と共に雄弁に語り始めます。 澄み渡った空の蒼さや、川のせせらぎ、小鳥の鳴き声をも従えて幽玄の一滴、六甲からの湧き水がテーブルの真ん中で沸き立つ音を聞きながら、お茶の香を深呼吸。 喧騒と多忙な目常から逃避して、暫し桃源郷に遊ぶ心地よさ。一杯のお茶を楽しむ…広大な大地に根をはる中国茶文化の奥深さに触れたひと時でした。 中国茶の神様:陸羽 煎じ薬として食されていたお茶が、三国時代以降、次第に嗜好品として飲用され、晋や南北朝時代には江南地区の貴族階級では酒代わりとして、やがて僧侶や文人などの間で流行し目常的に飲まれるようになる。 唐代、陸羽が書いた本「茶は南方の嘉木(めだたい木)なり…」で始まる『茶経』は、お茶の成分、効能、製法、飲み方や道具などの知識を集大成した中国茶のバイブルとして名高い。 陸羽は、生年は不詳、803年頃に没しました。寺院に学び、やがて役者になり、茶を愛する孤高の文人として生涯を送ったといわ、中国ではお茶を売る店先で陸羽の肖像画を目にすることもできます。 六大中国茶 プラス 花茶 緑茶(不発酵) : 代表茶葉・西湖龍井。中国で一般的に飲用されるポピュラーなお茶。 白茶(弱発酵) : 代表茶葉・白牡丹。ソフトでデリケートな味わいと清らかな香りの珍しいお茶。 黄茶(弱/後発酵) : 代表茶葉・君山銀針。かつては皇帝への献上品だった生産量の非常に少ない貴重なお茶。 青茶(半発酵) : 代表茶葉・烏龍茶・鉄観音。血液中の中性脂肪を下げ、成人病予防やダイエット効果も期待される。 紅茶(全発酵) : 代表茶葉/祁紅毛峰。16世紀頃に福建省で紅茶が生産され、インドやスリランカに伝来、。 黒茶(後発酵) : 代表茶葉・プーアル茶。熟成して価値が上がるワインのように黒茶は古いほど価値が出て味わい深くなる。冷え性にも効カあり。 花茶 : 茶葉に花の香りを吸着させたジャスミン茶系と、花そのもののエキスも一緒に抽出して飲む菊花やバラ茶系。花の香りを楽しむ中国茶。 右上へ → |
中国茶の効能 ●二目酔い防止。 ●カテキン酸で生活習慣病・癌予防。 ●アミノ酸で血圧を下げる。 ●ボケ防止。 ●脂肪を排出する烏龍茶ポリフェノーノレにダイエット効果。 ●カテキン酸とビタミンCで美顔効果。 ●プーアル茶で冷え性解消。 ●香りでストレス解消、リラックス。 烏龍茶の傑作・武夷正岩茶を味わう 中国福建省の北部に位置する武夷山。三十六峰、夷山。三十六峰、九十九奇峰、九十九奇岩、九曲渓。ここは奇峰、奇岩が林立する山で、中国元代から清代まで、皇帝へ献上するお茶をつくる茶処としてその名を馳せました。武夷山は奇岩が連なっており、その岩と岩の間の険しい谷間や、岩の割れ目、窪地などにそれぞれ違う品種の茶葉が自生。岩のミネラル分をたっぷりと含んだ武夷岩茶は、香り高く味わい豊かなうえに、糖尿病や脳梗塞、心筋梗塞、高血圧、動脈硬化、発ガン抑制などにも 効果があるミネラル豊富な中国名茶。切り立った岩場に自生しているところから、生産量が極めて少なく、貴重なお茶として珍重されていますが、神戸岩茶荘では、産地直産の「武夷正岩茶」と出会うことができます。 武夷岩茶のたのしみ方 @茶盤の上に置いた茶壷(急須)に、たっぷりとお湯を注ぎます、 A蓋をして、聞香杯(香りを楽しむ杯)と茶杯を順に温めます。 B温まった茶壷に3分の1ぐらいまで茶葉を入れます。 C一度蓋をしてから茶葉の香を楽しみます。 Dお湯をなるべく高い位置から細く長く注ぎます。 Eすぐにもうひとつの茶壷に茶湯を注ぎます。 F一煎目の茶湯でそれぞれの茶器、茶壼を温め最後に、茶盤にあけます。(一煎目は流します。) G蓋をしてその上からお湯をかけて蒸らします、茶壷の表面が乾いてきた頃が、ちょうどよい飲み頃です。蓋をするときに、蓋の裏と、茶壷の口を擦り付けて、あくを取ります。 H最後の一滴まで茶壷に移すことによってお茶の味と濃さが均一になります。 Iはじめに聞香杯に茶湯を注ぎます。 J茶杯で上から蓋をしてひっくりかえします。女性は両手でハート型に胸元で小指を立てて回転。男性は片手で背筋を伸ばして茶杯をひっくりかえします。 K静かに聞香杯だけ持ち上げます。 L聞香杯を合掌した両手の間に包み、鼻元に近づけ、香を楽しんだ後、茶杯のお茶をいただきます。 ※同様の要領で何杯か味わった後、お茶を煮立てて飲んだり、お風呂に入れたりと、武夷岩茶を楽しめます。
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