大阪の民衆文化・河内音頭の正体を探る
《付録》 :河内音頭(広義。前述(A)・(B))以外の河内の音頭 (1) 流行音頭 ・ ※江州音頭(本節・くずし・平節)、やんれ節、泉州音頭 (2) 伝承音頭(中河内の村落に伝わるローカル音頭) ・ 六郷の流し、石川の流し、平野・加美の九郎、大地・田島の半九郎、植松・跡部の半九郎、老原・八尾木の半九郎、恩智の半九郎、古市の半郎、ジャイナ節平音頭、丹北音頭、丹南節平音頭、ナーコレー畑音頭、エンヤ踊り、ナンエン、ヤンレー節、祭文音頭、念仏音頭、安宿音頭、八上の切り音頭、畑音頭 ※江州音頭のルーツ 江州音頭←祭文音頭←祭文踊り←歌祭文←歌謡 | -- 貝祭文 <------ もじり祭文 <--- 山伏祭文 江州音頭:本節と称される滋賀県の「八日市節」とは別に、発祥地の伊賀や近江、大和等にも伝存していない「しがらき節」系で、大阪特に中河内に伝存し。 祭文音頭:山伏や丹波の古来の盆踊りで、七七調または七五調4行(時々5行)で一節を形成する。次の、祭文踊りの進化したもの。 祭文踊り:大和古来の盆踊りで、七七調または七五調3行で一筋を形成する。江戸中期の歌祭文の流れをくむ。 貝祭文:浪曲の祖先である語り物芸能で、手錫杖の一種である金錠という道具を、キンキンと振り鳴らしたり、法螺貝をメガホン代わりに使って、デレンデロレン・・・などと口三味線を入れたりしながら、長い語り物を節をつけたり、節をつけずに科白にしたりして語る芸能。 歌祭文:三味線の伴奏を伴わない、手錫杖を振ったりしながら、唄うように読み行く語り芸で、江戸中期に上方の盛り場で成行した。 もじり祭文:山伏の『祭文』を読むときの節を使って、耳寄りな世間話(心中事件や仇討ちの話など)を読み聞かせる、いわば芸能化した祭文。 山伏の祭文:山伏修験者が、何か特別の目的のために、神仏を祭って祈願するとき、その祭奠の趣旨を述べ、神仏の徳を讃える美文調の文章を、一種独特の抑揚と節をつけて読み上げるもの。 ※村井先生の講義後、一般参加の川向章介さんの河内音頭に、民謡酒場「みすじ」の斎藤功さんの三味線、平尾洋子さんの太鼓で会場は盛り上がりました。 右上へ → |
************** ★塾生で毎日新聞論説委員の平野幸夫さんは、9日の講座に出席できませんでしたが、8月12日(日)の毎日新聞朝刊一面の「余禄」に村田市郎氏の取材を交え、河内音頭にまつわり下記のような文章を掲載されています。 ************* 連日熱帯夜が続く大阪。暑苦しさを吹き飛ばすように、浮き立つリズムの太鼓と、はやしが毎晩どこかから聞こえる。「アアイヤコラセードッコイセー」。河内音頭独特の節回しだ。 河内音頭の盆踊り大会は大阪と周辺でひと夏に1000カ所以上催される。音頭研究家の村井市郎さん(75)は「歌詞も節も決まっておらず、自由度が高い。型にはまるのが嫌いな大阪人気質に合っている。芸の深い音曲で、江州音頭と並んで日本の2大音頭ではないか」と分析する。 河内音頭は民謡と浪曲の中間芸能ともいわれる。アップテンポのリズムに乗り、エレキギターやシンセサイザーで伴奏もでき、若者にもうける。歌や語りを演じる音頭取りの会派の数は約20年前、約50だったのが、今は約130に増えた。ひと晩に何カ所も掛け持ちをすることもあるが、聴衆を飽きさせない音頭取りは多くない。 「音頭を取る」というのは「人の先に立って手はずを整え実現するように皆をまとめてゆく」(大辞泉)という意味もある。小泉純一郎首相が音頭を取る特殊法人改革の雲行きが怪しい。各省庁が行革推進事務局に出した見直しの意見書は「不可能」「困難」「検討」の字句が並ぶ。 霞が関で「検討する」は「しない」と同義語でなかったか。自ら骨身を削るような回答はない。「抵抗勢力」としての顔があらわになった。「全法人の廃止・民営化が前提」という指示を出している小泉首相は、改革実現への指導力が問われる。 昔の河内音頭は、踊り子を踊らせることができても、語る物語の中身を伝えられないような音頭取りに「早(はよ)う、降り」とやぐらの下から容赦ないやじが飛んだ。小泉首相も「掛け声倒れで中身のない改革だ」という声は聞きたくないだろう。 (毎日新聞2001年8月12日 全国版・朝刊から) 出席者:35名 塾生(20名):秋山建人・井上章・鍛冶睦子・北村千世子・ 木下奈美子・工藤幸二・佐伯恵美子・塩本妙子・ 杉山英三・辰野幸正・中村好作・原季美子・原田彰子・原田貴志・平野康子・森川千世子・山下菊子・川西弘・由良美智子・吉本和弘 一般(15名):浅井かず子・浅井次郎・池阪一美・ 井上純世・上田みゆき・尾崎武夫・片岡一郎・ 川向章介・菊地フミ子・斎藤功・外岳欽一・中野伊津子・ 名取寿奈子・東口恵子・平尾洋子 | ||
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